助平(スケベ)が集まる盆踊り!?「郡上おどり」で朝までフィーバーナイト 〜踊り体験編〜

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※この記事は、『wanderlust』に寄稿した記事を一部抜粋したものです
▶︎本サイト(wanderlust)で読む

 

 

 

郡上の「助平(スケベ)」は踊り好き

 

「“踊り助平(スケベ)”っていうと、なんかヤラシイ人みたいですよね」

 

私がそう言うと、呉服屋のおかみさんは笑いながら「“助平”って言葉にはね、“ある物事を強く好む”って意味もあるのよ」と答えた。

 

調べてみると確かに、“助平”という言葉は「江戸時代から使われていたが、本来はあることに非常に強い興味を示すことを指していた」のだそうだ。

 

さて、そんな「踊り助平」が集まると言われるお祭り、岐阜の「郡上徹夜おどり」に、低予算かつノープランで乗り込んだ(前回記事を参照)私は、立ち寄った呉服店で、おどり開始までの時間をつぶしていたのだった。

 

 

盆踊りは1を100にする作業。シンプルだからおもしろい

 

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「郡上徹夜おどり」のおどり会場は、商店が立ち並ぶ細い路地だ。この道で、縦に長いO字型のベルトコンベアを作るようにして人々は踊り進む。

 

踊り開始の20時となり、会場へと向かった私を待っていたのは、ベルトコンベアの上で渋滞を起こしている、「踊り助平」たちだった。会場は、踊る人とそれを観る人で溢れかえっており、もはや路地の奥に進むには踊るしかないような状態だった。

 

 

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見ると、若い女性や外人さんも多い。なかには、10代そこそこに見えるのに、身のこなしに貫禄さえ感じられる女の子もいた。

 

 

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8月中旬の郡上の夜は、少し涼しさを感じるくらいで、踊るにはちょうど良かった。この旅の本懐を遂げるため、私も気合を入れて輪に飛び込む。

 

青山ですでに2日間踊っているので、振りは大体覚えている。

 

……うん。徐々に感覚を取り戻してきた。

 

 

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やぐらの上では、小学生ぐらいの子供たちが、お囃子を演奏していた。地元の子供たちだろうか。音頭取りももちろん、その中のひとりが担当していた。幼い声ながら、見事な節回しで歌い上げている。

 

 

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右上ののれんに「今晩の踊り審査項目は、げんげんばらばらです」と書いてあるのは、郡上おどり保存会の方々による、踊りの審査のことだ。

 

郡上おどりには、「踊り審査」の時間が設けられており、この時間になると保存会の人が輪に入り、筋のある人を見つけては「免許」を与えるのだ。踊り好きにはたまらないシステムである。

 

踊ラーたちは、いつでも待っているのだ。誰かに「踊り、上手ですね」と言ってもらえるのを。免許なんてその最たるものだと思う。ああ、私も欲しい(今回ルールを何も知らずに行った私は、審査を受け損ねてしまった)。

 

 

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かくかくしかじかあって、郡上八幡に来る直前まで高知でよさこいを踊っていた私は、踊りながら「よさこいはマイナスを1に、盆踊りは1を100にする作業だな」と思った。

▶︎ 【死ぬかと思った】運動不足の私が高知で「よさこい」を踊った結果

 

難易度の高いよさこいは、「完成に向かっていく」時間が多いけれど、すぐに覚えられる盆踊りは、「完成したものに磨きをかける」作業ほぼそのものだ。シンプルなものだからこそ、アレンジも効いてくる。
郡上おどりは、盆踊りのなかでも特にシンプルな踊りなので、そんな盆踊りの楽しさを味わい尽くすことができる。

 

よさこいにも相当入れ込んだのでどちらの魅力も知っているけれど、体力も根性もない私が長くお付き合いできるのは、やはり盆踊りになりそうだ。

 

郡上おどりは、時期が近づくと毎週のように事前講習会があり(徹夜おどり期間中は毎日開催)、これに参加すればさらに踊りを磨けるので、もっと楽しいのだろうなぁ〜〜。

 

 

にぎわう祭りと凍てつく私

 

踊り開始時間から2時間。22時になり、踊り疲れた私は、休憩と晩御飯がてら屋台を見に行くことにした。

 

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街じゅうの路地には、焼きそばやイカ焼きなどの主食系から、ベビーカステラ、かき氷などの甘味系まで、ありとあらゆる種類の屋台が揃っていた。

 

 

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そのなかに、「冷凍みかん」の看板を掲げる店を見つけた。冷凍みかんは、小学生のころから大好物だ。空腹にもかかわらず、前菜を楽しむぐらいの軽い気持ちで、私はそれを買うことに決めた。

 

しかし、お店の人からそれを受け取った直後、すぐに後悔することになった。

 

 

店員から渡されたのは、手のひらサイズの冷凍みかんではなく、特大サイズの「冷凍みかん缶詰」だったのだ。

 

 

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水の流れる小路に座り、30分かけてそれを食べ終えた。鏡は見ていないが、食べ終わった時、私の唇は真っ青だったに違いない。

 

旅の疲れと踊り疲れに加え、体温の急激な低下により、圧倒的な眠気に襲われた私は、仮眠をとるべく一路休憩所へと向かったのだった。

 

 

徹夜4日目、にぎわう真夜中

 

 

 

 

「はぁ〜いっぱい踊ったわねぇ〜」

「久しぶりだからもうクタクタよ」

「え、でもまだいけるでしょ?」

「もちろんよ!!」

 

薄暗い部屋のなか、ヒソヒソ声の、でも、興奮を抑えきれないようなおばちゃんたちの声が聞こえる。どうやら隣に陣取りをしていたマダムグループが荷物を取りにきたようだ。

 

まどろむ意識のなか、携帯で時間を確認すると、
「……ん!? 2時!?」

 

やばい。3時間も寝ていたのか。間もなくフィナーレの4時を迎えてしまう。
慌てて飛び起き、まだ眠たい身体にムチ打って踊り会場へと向かう。

 

「こんな時間にまだ活動してるのは、よほどの踊り好きだけだろう」
そう思って通りに出て、驚いた。

 

 

 

 

===続きは本サイトにて===