日本各地の工芸品を扱う雑貨店「中川政七商店」が運営する、日本の伝統を紹介するWebメディア『さんち 〜工芸と探訪〜』にて、よさこい祭り66年の歴史をまとめた記事を作りました。
“よさこいエリート”と振り返る、商店街と共に歩んだ高知「よさこい祭り」66年の全歴史
https://sunchi.jp/sunchilist/kochi/103441
私は、企画、アポ取り、語り手への取材、歴史資料調査、執筆、画像入手を担当。語り手と最後のよさこいチームの写真は、カメラマンに依頼しました。
歴史を網羅しながらも要点が詰まっていて分かりやすく、画像豊富かつ語り手の存在により読み物としても面白い、ネット上で読める「よさこいの歴史」記事のなかで最高の記事ができたと自負しています（2019年8月時点）。
公開を第66回高知よさこい祭りの当日に合わせたこともあり、記事は私個人のSNSだけでも2日で700回以上クリックされ、多くの「読めて良かった！」という反応をいただくことができました。
以下に、
- ほかのメディアにはできない「制作工程」
- 読者の反応
- 「人の想いから生まれた、伝統や文化のうねり」といったテーマに興味があります
の順でまとめています。
ほかのメディアにはできない「制作工程」
なぜ「ネット上で読める「よさこいの歴史」記事のなかで最高の記事ができた」と言い切れるかというと、この記事は、高知県外のWebメディアには、かなりのコストをかけないと作れないものだからです。
というのも、祭りが始まったのは今から66年前の、昭和29年。祭りの歴史を見守ってきた関係者は、高知在住の高齢者ばかり。つまり、首都圏から取材するなら、まずは【取材コスト】がかかります。
次に工数がかかったのが、【史実の確認】。関係者のなかでも、重要な役割を果たした人物はここ十数年で逝去しており、取材だけでその歴史を確認することは不可能です。そのため、国会図書館に足繁く通い、たくさんの書籍や、当時の新聞を読み漁りました。
記事を読む人には、どこか遠い歴史上のできごとではなく、いろいろな人の想いが今に繋がった祭りであると知ってほしかったので、なかでも特に当時の関係者のリアルな人柄や声を集めることに力を入れました。
そして、もっとも困難を極めたのが、【画像入手】です。高知市の観光協会や広報も古い画像は持っておらず、主催のよさこい振興会は画像の提供をしていないとのこと。残された手段は高知新聞への画像提供依頼でしたが、依頼するには、過去号のどの面に掲載されていた写真かを指定しなければなりませんでした。
古い写真なので、検索して一発ヒット！ なんてわけにもいかず、その画像探しだけでも数日かかりました……。でも、いざ申請してみたら、すべての画像を使用するには十万円以上かかることが分かり、入手は絶望的に。
しかし、見ていただくとわかる通り、今回の記事では豊富に画像を利用しています。
その理由は、過去、私が高知県関係の仕事を手がけてきたことを知る、高知県の広報担当者さんが、そんな私の状況を見て、高知県庁のネットワークを駆使して写真の入手を後押ししてくれ、かなり奇跡的に画像を手に入れることができたからです。
このように、制作には時間もお金もかかるため、よほどこのテーマに思い入れがあるか、予算の大きいメディアでないと、もしくは記事を書くことで利益が得られる見込みがないと、同じような記事は出てこないはずなのです。
読者の反応
多くの方から、「読めて良かった！」という反応をいただくことができました。
記事公開を知らせる私のツイート（↓）は、76RT、217いいねを突破。記事リンクのクリック数は736回を超えました（8月11日時点）。
「人の想いから生まれた、伝統や文化のうねり」といったテーマに興味があります
ちなみに、もとはここまで工数がかかることを想定していなかったので、執筆料は、制作期間1ヶ月程度の通常の記事と、同じ価格。
つまり、私にとって「よさこい祭り」は、そこまで大赤字になってもいいと思えるテーマでもある、ということ。同じように、地方から巻き起こる、伝統や文化のうねりのようなものには、かなりの想い入れがあります。
もし、そうした記事を作りたいと考えている方がいらっしゃいましたら、まずはご相談ください。今回の記事制作の経験も、かならず活かせるものになると思います。
“よさこいエリート”と振り返る、商店街と共に歩んだ高知「よさこい祭り」66年の全歴史
https://sunchi.jp/sunchilist/kochi/103441
※魚拓
https://megalodon.jp/2019-0811-1526-31/https://sunchi.jp:443/sunchilist/kochi/103441
